クレジットカード犯罪の種類

クレジットカードの不正引き出しについて、まだ記憶に新しい事件がありましたね。

その内容は、全国のコンビニエンスストアのATMでわずか3時間ほどの間に計1万4000回の取引、約14億円が不正に引き出されました。

なぜこの事件がこんなにも注目されたのかというと、総額14億円にのぼる不正引き出し額の大きさ以上に、犯罪手口が特異であったからです。

コンビニATM14億円不正引き出し事件

毎日新聞によると、不正利用された偽造クレジットカードは、南アフリカのスタンダード銀行の偽造クレジットカードが使われました。

そのカードを使って「出し子」と呼ばれる犯罪の共犯者が日本国内のATMで不正にキャッシングによる資金引き出しを行ったのです。
出し子の人数は100名以上で、同時に一斉に引き出し行為に動きました。

日本では現在、今回悪用されたような海外カードが利用できるATMは、セブン銀行(いわゆるコンビニATM)と、ゆうちょ銀行、この2行しかありません。セブン銀行はその1つであり、今回これらのATMが狙われたのです。

使用された偽造クレジットカードは1600枚にも及びます。
また引き出された時間帯は午前5時過ぎから8時頃までの間、出し子の人数が100名だとしても1人1400万円もの金額を引き出した計算になります。

1回あたりの限度額は、セブン銀行ATMは50万円まで、1日の限度額が200万円なので、1人あたり16枚のカードを持ち歩いたと計算しても1店舗100万円弱のお金を10店舗前後回れば1400万円を集めるのも可能となります。

では今回なぜ日本で引き出しを行ったのか?

今回、キャッシングされたのは南アフリカの銀行の預金口座に基づく磁気ストライプ型のクレジットカードであり、被害者は同銀行の預金者です。

今回の犯罪では、日本の預金者や銀行は無関係とのことですが、管理の甘い日本が狙われたことに変わりはありません。
それには日本は、犯罪率が低いことや、銀行のATMの大半が外国のカードを受け入れないことからリスクが低いとみられ狙われたのだと言われています。

日本で発生するカード犯罪の手口とは?

では日本で実際によく発生するカード犯罪とはどんなものがあるのでしょうか。
主に3つのタイプを解説したいと思います。

①他人のカードを使ってクレジット会社の現金自動支払機から現金を引き出す

②支払う意思も能力もなくカードによって商品を購入する

③偽造カードにより商品を購入する

①他人のカードを使ってクレジット会社の現金自動支払機から現金を引き出す

この場合はクレジット会社に対する「窃盗罪」となり、「10年以下の懲役」となります。

もしも盗んだのでなく、何らかの事情で他人のクレジットカードを預かり、それを無断使用したのであれば、無断使用の時点で横領罪に当たります。

②支払う意思も能力もなくカードによって商品を購入する

クレジットカードはカード1枚出せば、何でもお買い物ができてしまいますが、支払う意思も能力もないのに商品を購入した場合、加盟店に対する「詐欺罪」が成立します。

これは自分名義のカードであっても、代金支払いの意思もなく、また支払いの能力もないのに、このような事情を知らない加盟店から商品を何点か購入し、決済資金を全く振り込まなかった場合、詐欺罪が成立するとしています。

③偽造カードにより商品を購入する

偽造カードによる被害総額は平成27年第4半期(10月から12月)は34.7億円でした( 日本クレジット協会調査による)。
これは7月~9月の被害額(30.6億円)から比べると13.4%増加した結果になります。

不正使用被害額の内訳は、偽造カード被害額が8.2億円、番号盗用被害額が20.5億円となっています。

2016年クレジットカード不正使用被害の発生状況

参考:日本クレジット協会調査

偽造カードは「スキミング」といわれる手法でキャッシュカードを偽造して不正に貯金を引き出す犯罪のことをいいます。

これは、各種の店舗に設置されているクレジットカード会社の照会端末機に特殊機器を仕掛け、キャッシュカードの磁気データを不正に入手し、その原版(生カード)を転写することによって偽造カードを作成・使用するという手口です。

どこからその情報を盗むかというと、次の幾つか考えられます。

  • 店内スリ:飲飲食店などで他の客の上着に入ったままのクレジットカードから情報を盗み出す
  • 取扱店 :クレジットカード取扱店のCAT端末(加盟店信用照会端末)に細工をしてスキマーを仕掛ける
  • 車上盗 :駐車している車両から貴重品を盗み取る
  • 仮睡盗 :夜間、電車内で居眠りしている隙に財布などを抜取る
  • その他 :空巣に入ってカードそのものは盗まずに情報だけを取り出す

また商店などで店主や店員自身がスキミングを行なっていた例もあります。
スキミングというのはカードの盗難と違って、カード自体が「無事」であるため、被害者が被害に気づきにくい傾向があります。

そして数か月後に全く身に覚えのない請求があり、そこで初めて気づくという特徴がスキミングにはあり、より巧妙であると言えるのです。

クレジットカードの場合、不正使用による被害はクレジットカード会社であり、カード保有者には支払い義務はありません。
しかし、キャッシュカードの場合は金融機関側に善管注意義務に反するような事実が無い場合は、不正使用の被害はすべてカード保有者となります。

もしも偽造したカードを使用した場合、以下のような罰金が科されます。

①カードの偽造と使用は10年以下の懲役または100万円以下の罰金

②不正(偽造・盗難)カードの所持は5年以下の懲役または50万円以下の罰金

③スキミング行為(不正作出準備)は3年以下の懲役または50万円以下の罰金

※平成13年6月に刑法(詐欺罪(10年以下の懲役))が改正(平成13年7施行)されました。

もしも被害にあってしまったら?

もしもクレジットカードを紛失したり、スキミング被害にあってしまったら、速やかに警察とカード会社に連絡をしましょう
気付いて早急に連絡することによって、紛失したクレジットカードは無効となります。そのため不正使用される心配はありません。

また現在のクレジットカードには紛失保険・盗難保険が付帯しており、カードの不正利用を補償してくれる保険が付いています。
そのため万が一、クレジットカードを紛失してしまったとしても、その損失を負担することはありません

クレジットカードのトラブルについてはこちらも参考にしてみてください。
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